第17回 志明館の校歌(館長 山口秀範)
志明館の校歌は、校訓の「和誠礼勇」に因み1番は「和」、2番「誠」、3番「礼」そして4番は「勇」をテーマに作詞しました。さらにそのテーマに相応しい偉人を取り上げ、和の聖徳太子、誠の吉田松陰、礼の千利休が登場します。そして4番は「国難の 蒙古襲来 迎へ討ち 勇を奮ひし 武士の末(もののふのすえ) 志明館友 未来を担はむ」と続きますが、「蒙古襲来」について「内容が過激では?」、「モンゴルの人が気分を害するのでは?」と心配の声もあるようです。
「戦争」ということに過敏に反応する現代思潮にあって、この歌詞が適切かどうかは校歌制定時にも議論を重ねました。その結果、わが国を取り巻く国際情勢の容易ならざる現実を見る時、外からの侵略に備える意識を子供たちに持たせるのは大切で、何事につけても一方的に攻撃される危機を未然に防ぐ備えは、幼い内から身につけてもらいたいというのが大方の意見でした。
また「蒙古襲来」は750年前の歴史事実を歌ったもので、現代のモンゴルと友好関係を深めていることは、昨今の大相撲を語るまでもないでしょう。
校歌の偉人たちはいずれも国家の危機・動乱の世に精一杯生きた人ばかりです。そんな長い歴史を受け継ぎつつこれからの未来を築いていく志明館友(生徒たち)は、大好きな校歌をいつも力一杯歌ってくれます。